親知らず抜歯
親知らずとは
親知らずは一番奥にある歯、前から数えて8番目に位置する歯です。親知らずの有無はレントゲン撮影によってすぐにわかりますので、気になる方は当院へご相談ください。
何歳くらいで生えてきますか?
一般的には17~22歳頃に生えてくることが多いですが、生え方や本数にも個人差があり、全て生えてくるものと半分だけ生えるもの、歯茎の骨の中に完全に埋まっているものに分かれます。
生えてくる際に痛みはあるの?
20歳前後の方は親知らずが歯ぐきを突き破って生えてくるために痛みを伴う方もいらっしゃいます。この時は痛くともしっかりと歯ブラシで清潔にして、抗生物質と痛み止めを3日程度服用すると症状が消えてくる事がほとんどです。
また、生えてる途中の歯を抜く必要は基本的にはないでしょう。
抜く場合にも、親知らずが半分以上出てきてから抜いてあげた方が身体にとっても負担は少ないでしょう。
真っ直ぐ綺麗に生えてきたら抜く必要がないこともあるので、完全に生えてきてから状況に応じて抜くかどうか判断することを当院ではお勧めいたします。
親知らずと歯並び
親知らずと歯並びの関係性
親知らずが斜めに生えてくることで手前の歯を圧迫して前歯の歯並びに影響することがあるといわれています。
そもそも斜めに親知らずが生えてきてしまうと歯ブラシが当てにくく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。さらに歯並びに影響するのであれば、抜歯することが適切な可能性が高いでしょう。
矯正の際の親知らず抜歯の意味
矯正治療を行う際、歯を前後に移動させて歯並びを整えていきますが、親知らずがあることで引っかかってしまい、移動の妨げとなる場合があります。
そういったケースでは、親知らずは矯正治療の前に抜歯しておいたほうが良いでしょう。
もちろん、親知らずを抜歯しなくても矯正治療が可能な場合も多々あります。
矯正をご希望の方は、お気軽に無料カウンセリングにお越しください。
親知らずの痛みの原因について
痛みの原因となる要素
親知らずは、お口の一番奥に位置するので歯ブラシが届きにくく、清掃不足になることが多い歯です。特に斜めに生えている親知らずや、半分くらいしか生えてない親知らずはその傾向が強いため、歯垢や歯石が付きやすく菌の温床となってしまいます。
菌は歯の表面に付着すると虫歯になり、歯肉の近くに付着すると歯周病(智歯周囲炎)の原因になる場合があります。
一般的には虫歯も歯周病も軽度であれば、詰めたり、クリーニングをすることで治癒しますが、中等度以上になると虫歯と歯周病の高リスクのものと判定し、抜歯を勧めることも多いのでそうなる前のセルフメインテナンスが必須となるでしょう。
歯医者の定期検診にて、親知らずの状態を定期的に確認していくことをおすすめ致します。
親知らずによる症状
- 腫れ
- 痛み
- 頭痛、肩こり
- 染みる
- 違和感
- 咬合痛
- 開口障害
親知らずを抜歯する際の
医院の選び方
患者様が歯科医院を
選ぶ基準について
まずはお近くの歯医者さんにて抜歯を検討している歯の状態を確認していただくと良いでしょう。
抜歯が容易な生え方であれば、その場で抜歯が可能な場合もあります。
当院では幅広い症状の抜歯治療に対応しています。
歯茎を切ったり、歯を砕いて抜いていかないとならない場合(難易度の高い抜歯の場合)は、専門の口腔外科のある病院へのご紹介も可能です。
他院様での抜歯後の異常にもご対応いたしますのでお困りの際はいつでもご連絡ください。
親知らず抜歯のタイミングについて
抜歯の最適な時期
体調が良好な時がベストです。
体調不良の時は免疫能も低下しているため、治りが悪かったり、血が止まりにくかったりと抜歯する上で不利になる点が多いため最悪中止で延期になる事もあります。
後、抜歯後2-3日は痛みがあることもあるので、近々大切な仕事や用事がある時期は避けたほうが無難です。
休みの日や連休、忙しくない日の午前中をお勧めいたします。
午前中に抜歯を行うと、麻酔が切れた後に異常が出た場合にその日のうちに再来院が可能ですのでおすすめです。
抜歯の難易度について
まっすぐに生えている場合
抜歯の難易度 | 易 |
---|---|
抜歯にかかる時間 | 約10~30分 |
抜歯の費用 | 約¥1500~¥3000 (保険適用、3割負担の場合、レントゲン別) |
横向きに生えている場合
抜歯の難易度 | 中~難 |
---|---|
抜歯にかかる時間 | 約30~60分 |
抜歯の費用 | 約¥3000 (保険適用、3割負担の場合、レントゲン別) |
埋まっている場合
抜歯の難易度 | 難 |
---|---|
抜歯にかかる時間 | 約30~90分 |
抜歯の費用 | 約¥3000~¥5000 (保険適用、3割負担の場合、レントゲン別) |
抜歯をお勧めする場合
- 中等度以上の虫歯になっている場合
- 小さな腫れを繰り返している場合(2回以上)
- 大きく腫れてしまった場合
- 頬に引っかかって気持ち悪い・よく傷がつく場合
- 物がよく詰まる場合
- 親知らずが原因で手前の歯が虫歯になっている場合
- 手前の歯を押している感覚がある場合
- 矯正治療をする場合(必要に応じて)
必ずしも抜歯しなくても
良い場合
- まっすぐ綺麗に生えており、
口腔内状態も良好な場合 - 全身疾患がある場合(疾患による)
- 再植
(抜歯した歯の部分に親知らずを移植する)に今後使えそうな場合 - 上顎の中にある上顎洞に
大きく入り込んでいる場合 - 下顎の中にある神経に
引っかかって存在する場合
抜歯後の注意点
- 抜歯した部位に極力触れない
(菌が入ったり、かさぶたが取れて
痛みを伴うため、1週間程度) - 完全に血が止まるまでは過度のうがいを控える(1~2日)
- 過度な運動や長風呂は控える(当日)
- お酒やタバコは控える(当日)
親知らずを抜歯する際の流れ
実際に抜歯する際の流れ
- カウンセリング
- 視診
- レントゲン写真撮影
- 麻酔
- 抜歯
- 止血
- 抜歯後チェック
抜歯後の腫れについて
腫れについて
上の親知らずと下の親知らずでは腫れ方が違い、上の親知らずは通常周りの骨が柔らかいため、抜歯も容易で痛みや腫れもあまりないことが多いです。
処方された抗生物質を飲むことで、抜歯後の痛みも抑えることが可能です。万が一抜歯後に腫れた場合は、一度歯医者さんに見てもらったほうが良いでしょう。
下の親知らずは硬い骨のため、そこに埋まっている親知らずを抜歯した後は腫れや痛みがでることが多いです。
しっかりと処方された痛み止め、抗生物質を飲むことをおすすめ致します。
抜歯の次の日の消毒の日の具合で、今後腫れがいつ止まるのか予想することが可能ですので、必ず消毒にご来院ください。
腫れる期間
上の親知らずはあまり腫れず、2、3日で快方に向かう方がほとんどです。
下の親知らずは腫れや痛みが2~3日程度続くことが多く、親知らずが深い位置にあった場合は1週間程度続くこともあります。
危険な腫れ方について
急激に腫れてくる場合は注意が必要です。
急性炎症が起きているので、すぐに歯医者さんに連絡する必要があるでしょう。
特に呼吸が苦しくなるように首のほうに腫れてくる場合は(気道閉塞)、歯医者さんへの連絡の前に救急車に連絡したほうが対処が早いこともあります。
ご不安な場合はすぐご連絡ください。
親知らず抜歯でよくあるご質問
Q.どんな時、親知らずが痛くなるの?
虫歯や歯周病が進行してくる時はもちろん、親知らずはお口の一番奥に位置して、歯ブラシが非常に届きにくい部位なので、歯磨きが足りず歯垢や歯石などのばい菌が堆積してくるとお痛みや腫れが出てきます。しっかりと歯磨きを意識して行うことが大切です。
特に体調が悪くて免疫機能が低下しているときに(ストレス・体調不良・季節の変わり目など)に症状が出てくることが多いです。
Q.親知らずはなぜ
きちんと生えないの?
それぞれの顎の骨の大きさに影響されます。顎の骨の大きい人は綺麗に萌出し、顎の骨の小さい人は埋まったり、中途半端な位置に生えたりします。
特に若い方は年々顎が細くなってきており、それに比例して親知らずが埋まっている人が多くなっている傾向があるようです。
一方で欧米人では顎の骨が大きいので、親知らずはほとんどの人が綺麗な位置に萌出されています。
Q.親知らずがまた生えることは
あるの?
歯は一度抜歯すると同じ歯が再び新しく生えてくることは大人の歯の場合、二度とありません。
親知らずは一度抜歯したらそのままで大丈夫です。
まれに親知らずの前の歯を何らかの原因で抜歯した人が、数年後その歯に引っかかって埋まっていた親知らずが同じ場所に生えてきている人をみることもありますが、非常に稀なことでしょう。
Q.抜かないで治す方法は
ありますか?
親しらずも他の歯と同じく、虫歯になれば虫歯の治療を、歯周病になれば歯の周りを綺麗にし薬を飲むことで治療は可能です。
しかし、どうしても生えている場所がお口の奥のほうなので治療しても再発してしまうことが多いです。
虫歯や歯周病が初期の段階でお口の環境も整っている方は、治療後にブラッシングを丁寧にするようご説明をして治すことも十分あります。
ただし、同じ箇所に同じ病気が発現してしまった場合は抜歯を推奨いたします。中等度以上の虫歯や歯周病になっている場合は、他の歯に悪影響を及ぼすリスクが非常に高いので抜歯を推奨致します。
親知らずの抜歯前の注意は?
抜歯をする日を決めたら前日はお酒を控えてもらう事をおすすめします、当日の麻酔がお酒が残っていると効きが鈍くなって抜く際に痛みを伴いやすいからです。抜歯後に、最も気になることは、『痛みと腫れがどれくらいでるか』だと思います。
抜歯した後の傷口は、ご自身の身体の免疫反応によって傷口が修復、治癒していきます。免疫能力はその時のご自身の体調によって大きく変わるので、抜歯前の体調を整えるために、食事睡眠休息を2~3日前から意識すると良いでしょう。
抜歯当日は食事を軽く取り、体調が良好か確認できていたら歯医者さんに抜歯をしに行きましょう。
腫れが大きい場合は当日に歯を抜かずに、お薬で腫れを抑え、薬の効く3~7日後に抜歯を勧める場合もございます。
Q.抜歯にはどのくらい時間がかかる?
抜歯治療にかかる時間は、親知らずの頭が外に出ている具合(症状の難易度)で変わります。親知らずの頭が70%以上出ている場合は、10~30分程度で抜歯が終わるでしょう。
また、親しらずの頭が10~40%以上出ている場合は、30~60分程度の時間が必要でしょう。親知らずの頭が全く出ていない場合は、60~90分程度の抜歯の時間が必要でしょう。深く埋まっている場合には専門の口腔外科へ紹介することもあります。
虫歯の程度、歯の根の形によっても変わってくるのでレントゲン写真で確認して判断します。
Q.抜けなくて途中で
中止されることはあるの?
どうしても歯の根の先が大きく残ってしまう場合は抜歯を中断して大学病院や専門の口腔外科へ紹介することもあります。
Q.親知らずが虫歯になると
抜歯は難しいですか?
親知らずの抜歯治療では歯にへーベルと呼ばれる器具をひっかけて少しずつ力を加えて抜歯します。
虫歯で歯の頭が崩れている場合や器具をひっかけるところがない場合は、工作をしながら抜歯を進めていくので、時間がかかるので出来れば歯の原型があるうちに抜歯することをおすすめ致します。しかし、抜歯自体は可能なのでご安心ください。
Q.親知らずを抜くと小顔になる?
諸説はありますが、親知らずが頬を押しているような生え方をしている場合はすっきりすることもあります。
抜いた後の親知らずの周りの骨は退縮するのでそういう意味で小顔になることはありますが、人が分かる程の効果はないかもしれません。
あくまで抜いた後の結果として、小顔になるかどうかということをご理解ください。
お口の中を清潔に保ちやすくなることで、口臭は少なくなるでしょう。